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本「クリスピン」

クリスピン アヴィ 金原瑞人 株式会社求龍堂

聞いたことない出版社、驚いた。
わけわからない話ではなかった。わかりやすいオハナシ的なお話。カバーの宣伝をそのまま書いてみる。
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14世紀、中世のイギリス。大荘園領主が支配する小さな村に、名前もなく、アスタの息子と呼ばれる13歳の少年がいた。母アスタの死後、ひとりぼっちになった少年が泥棒のぬれ衣をきせられ命を狙われる。「ここを出て自由に生きろ」神父に背中を押され一人で旅に出た少年。母の十字架に隠された秘密とは、じゆうとはなんなのか。旅の終わり、少年は自分のてで自由をつかむことができるのか。
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登場人物と、登場人物の簡単な説明と、目次と、章のかんたんなあらすじが載っていて、最初の2ページでほぼストーリーがわかってしまう。読みやすかったのですぐ読めておもしろかった。
母が死に、領主代理で村を支配するエイクリフはアスタの息子を殺そうとする。誰が殺してもOKな「オオカミの首」にする。出生の秘密を教えてくれる神父は殺されていて、その犯人にされたのだ。村を出る少年。ペストで死に絶えた見知らぬ村にはなぜか太った大男がいて、「お前はどこからか逃げてきた奴隷だな。俺の奴隷だ。」と宣言される。大道芸人の熊の奴隷になる少年。逃げても奴隷なのかといじけるクリスピンだったが、熊はいい奴だった。リコーダーを吹きダンスを踊り、信頼関係になる。城壁をくぐり町の中心に着いた。熊は革命家たちとも会合をもっていた、が、下っ端なのであまり信用されていなかった。エイクリフに見つかった。熊は拷問された。革命家たちは熊を信用していないので助けに行かない。一人で助けに行くクリスピン。無事に解放されて城の外に出る。二人とも自由だ。終わり
冒険物語、ということだが、なにも冒険していない話。身に降りかかる火の粉を払っただけ。だけど村にいたときは奴隷の運命を受け入れるだけで火の粉を払うこともできなかった。自分の意思で、友人である熊を救いに敵地に乗り込んだ。勇敢だった。連作で続きもあれば読んでみたい。大人のクリスピンを読んでみたい。

by kumaol | 2015-07-16 23:00 | 雑記