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マンガ「火の鳥」手塚治虫1311別6

1 黎明編
火の鳥のオープニングなる1巻は登場人物もバラエティに富み冒険活劇で民族の興亡あり火の鳥に執着するしないのキャラ分けがありマンガらしいマンガだった。時代は邪馬台国の卑弥呼が統治する。卑弥呼は年取ったために霊力がなくなったとあせり火の鳥を捕まえよと命じる。火の鳥を捕まえる拠点にするため熊襲を滅ぼす。熊襲討伐のためのスパイとして潜入したグズリはナギの姉ヒナクと結婚する。邪馬台国の兵士を招き入れて絶滅させる。ナギは怒る。出兵してきた大将の猿田彦はナギの弓の腕を見込んで殺さずに連れ帰る。弓の腕をもっと磨き、卑弥呼様のために火の鳥を打たせるのだ。老いぼれで狂乱の卑弥呼はちゃんと政治ができない。猿田彦とナギを追放しヨマ族の弓彦を雇う。ヨマ族はニニギを大将とする大陸からの騎馬民族に滅ぼされていた。初めて馬を見るナギたち、卑弥呼たち。〔馬がたくさん出てくる)弓彦はとうとう火の鳥を鉄の矢で打ち落とし首を切る。(火の鳥は確かに死んだ)卑弥呼に献上するが老いと病は待っていられなかった。卑弥呼は息絶える。騎馬民族と邪馬台国の戦争が始まる。火の鳥を手に入れたい。ナギは弓彦から教わった隠し場所え急ぐ。燃え盛る木の下に埋められていた。ニニギたちが追ってきてナギを殺す。火の鳥の棺は炎に包まれ燃え上がる。その中から、生まれたばかりの火の鳥が舞い上がる。一方、グズリとヒクニは生きていて森の奥で暮らしていた。火山が噴火し洞窟に大勢の動物たちとともに逃げ込むが穴が埋まってしまう。動物たちも徐々に死んでいき死んだものは生きているものに食べられ風穴を見つけ外に出られたと喜ぶが周囲を絶壁に囲まれた直立空洞の底だった。絶望するグズリ。子供を作り子供を育て底で生きていく。成長した子供の一人タケルは外の世界に出て行くと宣言する。穴の底でしか生きられない運命から解き放たれる時だ。世界を目指すタケルの後姿で1巻は終わる。猿田彦の奴隷として邪馬台国につれてこられたナギが猿田彦は卑弥呼の命令をきくのが正義と信じての熊襲討伐であって、人としては気持ちのよい思いやり深い男であることを知る。人の正義とは、絶対ではない。立場変われば、のエピソードだろうか。攻め込み皆殺し気まぐれに少々奴隷にする。昔は土地が広かったのに殺す必要あったのか、そういえばなんでだろう。昔だから皆殺しは当たり前な感じだけど殺さなくても、通り過ぎれば二度と会わないってことないのかどうか。地図をもっていなかったからか。

3 ヤマト編 宇宙編
宇宙船衝突で穴があき冷凍睡眠から隊長、ナナ、きざき、猿田の四人が目覚めると、起きている順番だった操縦士のマキムラはミイラになって死んでいた。宇宙船は使い物にならなくなりカプセルボートで個々脱出する。なにか近づいてくるものがある。マキムラの救命ボートだ。マキムラは死んでいたのに。ミステリアスな回想が始まる。ナナをめぐりマキムラときざきには確執があった。いつまでも若いマキムラ。若返っていくというマキムラ。頭が機械だったというマキムラ。マキムラとは一体。隊長のボートは惑星の重力から抜けることができず永久に回転する。きざきは死ぬ。猿田とナナは流刑地に不時着する。鳥の足の女がマキムラに死刑執行した。短編で、三角関係という単純な憎悪をベースにしているが宇宙浮遊しているようなコマ割が宇宙を漂ってどこにも帰れないかもという緊迫感をもたらしておもしろい。ヤンチャなマキムラには驚くばかりだ。 ヤマト編もよかった。1巻で外の世界に出たタケルはおじぃとなって登場する。くまその長老だ。日本は前円後円墳で権力を誇示する時代だった。古墳建設に反対する末の皇子は熊襲討伐を命じられる。熊襲の指導者はすばらしい男だ。だが殺す。それが使命だから。国(民族、属)の使命は人と人の心の通い合いよりも優先されるもの、手塚さんのアンチテーゼである。古墳の周りに人柱となるクジであたった人々。迷信はどうやって生まれてきたのだろうか。進化の過程の必要悪である。

11 太陽編(下)
高麗族ハリマは未来でスグルであった。壬申の乱で天武天皇の世となる。唐の帰化人と高麗のハリマと、認め合い助けるが敵と味方に別れる。顔を切られるハリマ。犬の皮が腐り落ちて人の顔が現れる。〔顔の皮をはがれたはずだがきれいな顔だ)人の顔に戻ると狗族とは交流できなくなりただのオオカミにしか見えない。泣くまりも。だが千年の後、もしも生まれ変わったハリマと愛し合えたなら一緒になれる。最後はロマンスでいい話だったな。何回生まれ変わっても一生愛し合うあこがれ。






別巻 ギリシャローマ編
最終巻にあたるものだが、一番最初に描かれたもので、一番かわいくておもしろかった。こまわりが1ページ16個ほどありテンポが速く映画みたい。火の鳥は3000年生きる。一緒に一個しか卵を産むことができず親が死なないと子供に3000年の寿命が授からない。3000年の寿命がつきる直前に生涯一個の卵を産み自らの炎に焼かれて親は死ぬ。卵を洪水からまもってくれたクラブとダイアお礼としてに3000年の命を与え、娘チロルを見守ってもらう為にかめのノロきつねのヨタうさぎのポポにも生き血を飲ませる。愛し合うクラブとダイアはエジプトで死にギリシャではトロヤとスパルタの敵味方になりローマで愛し合う兄妹になる。クラブがダイアを平手打ちするとか今見ると驚くけど、昔は男が女をぶつのは当たり前だった。男は威張って暴力ふるって女に君臨する。そんなんだった。手塚さんのマンガで男が女に暴力ふるうのを見ると違和感、当たり前は変わっていくんだな。チロルという名前は生き血に力があるので血、チ、チから始まる名前をつけたんだろうか。うさぎはポッコの顔をしてる。ポがつくのは、うさぎはぽんぽんテールだからかな。動物たちがかわいい。チロルを運ぶときはチロルは暑いので、亀の甲羅にいれて運ぶ。亀のノロはそのときははだかんぼう。ほんきにする子供がいなければいいけれど、なんて心配しチャう。おもしろかわいくて笑うコマなんだが。ダイアがかわいくてサファイア姫。星のたてごとが読みたくなった。

6 望郷編
読み終わってくらくらした。めまいがしていやな気分になった。ジョージとロミは地球を脱出して惑星を買う。初めての移民とのふれこみだったが地震が多く先住移民は死に絶えた岩の星だ。ジョージは地震で死ぬ。ロミは子供を産み、ロボットのシバに育児を任せて冷凍睡眠する。大人になった息子カインと子孫をつくるのだ。この星を人間でいっぱいにする。繁栄させる。ジョージ見ていて。数が繁栄。カインとの間に7人の子供を産みまた冷凍睡眠する。7人の息子たちが大人になったら子作りをするからだ。女はロミしかいない。カインが息子たちを育てていたが作物が育たずカインは自ら犠牲の肉となる。ロミが目覚め長男と結婚するが男しか生まれない。末っ子のセブはロミと結婚して女の子を産むんだと言うが相手にされず追放される。火の鳥は宇宙の生命パワーとして存在している。鳥の形はわかりやすい視角化であって地球生物としては不思議な鳥さんというのではない、本来はパワーなのだ。この息も絶え絶えな人間たちを見て助けてやりたいと思う。ムーピーの星から一体のムーピーをつれてくる。ムーピーとセブの間にはたくさんの女の子が生まれた。人間とムーピーのハーフだ。彼女たちはロミの孫たちと結婚しやがて惑星の人口は1万人を超える。素朴で働き者の星だった。ロミはすべての住民の母として女王に祭り上げられるが地球に帰りたい病になる。コムはロミの願いを聞いてやりたいと思い。ムーピーと人のハーフは目と耳がなかった。触角で心を読み物事を感知する。コムはムーピーがこの星にきたのは念力だと知って念力で岩の宇宙船を動かす。ロミと地球に向かう。動力がないのに動く宇宙船。宇宙偵察隊のマキムラや、雌雄一体の宇宙人と同行し、銀河系を飛び越えて地球によく似ているが地球ではない惑星に降り立ち命からがらな目にあう。人を飲み込もうとする生きている惑星(夜中のヒッチコック劇場のようなテレビで見た記憶があり)、土が生きている惑星、岩のタイヤが踏み潰そうとしてくる。銀河系を越えて、読んでいるこちらもあまりに遠いところまできてしまったのでめまいがする。紙上では黒いバックに星雲の白い渦巻きと点々が書かれている月並みな宇宙表現なのに、果てまで行ってる感じなのだ。ズバーダンというずるがしこそうなねずみ男と出会い、地球に行けるようになる代わりにコムの母ムーピーをあげる約束をしてしまう。ムーピーはナニにでも姿を変えられるしナニ聖人とでも子供をつくれるから高価なのだ。地球は人口過多でいったん移民に出たら二度と地球に戻ってくるな殺すという法律だった。規律を破って地球につれてきたマキムラは二人を殺せば許される。逃げるロミとコム。ロミはその前に若返りの副作用で3日しか生きれない、3日たって死に、コムはマキムラに殺される。ズバダーンはロミとジョージの惑星に行き、欲望の薬を飲み水に混ぜる。人々は贅沢になりもっとものがほしくなり賭博好きになり争うようになり兵器が売れるようになる。雌雄一体星人はズバダーンに監禁されてしまうがたくさんの卵を産み卵から孵った子供たちはズバダーンのロケットを奪い宇宙に旅たつ。醜い人々となった惑星は大地震がおこってなにもかもが崩壊していく。
前半、ロミがただ一人の女としてひたすら子供を産むことに専念すること、おそろしかった。生理通、腰痛、頭痛、陣痛、産褥熱。惑星を子孫でいっぱいにする、という使命感に共感できない。しかしそうでなければ話にならない。産み続ける。コムと宇宙に出発してからのロミはやっかいな荷物だ。なにもできないので。地球を見たいわーとか争いはやめてーとか言うだけ。マキムラがばあさんと呼ぶのが小気味よかった。あたしはロミが好きじゃなかった。コムがかわいかった。けなげで痛々しかった。かわいそうだった。地球人はよその星の人に冷たいから地球に行ってもいいことはない、とマキムラがコムに言う。コムは、ロミから地球はすばらしいところと聞かされていたので地球に行って、いいことがあると信じてる。いいことなかった。気の毒。
人間は殺すのが大好きだな。大好きなのに、大好きですと認めない。殺して奪うのが大好き。大好きだからずっとそう。だけども、次が泣ければ、次の人間たちが生まれないなら殺したり奪ったりもなくなるんじゃないか。子孫を作る子孫を繁栄させようという意思と殺して奪っては並行していく。ここまで読んだ中では6巻が一番よかったかな。コムはかわいい。

by kumaol | 2015-08-27 22:03 | 雑記