本「終わった人」内館牧子

東大法学部出エリート銀行員が子会社に出向になりその子会社に転籍になり常務で退職になる。定年は生前葬だ散る桜残る桜も散る桜とぶつぶつ言ってうっとうしい。妻は40超えて美容専門学校に通い美容師になった。定年の夫を家に残してさっさと働きに行く。スポーツジムで余暇をつぶすもじじぱぱと同化したくないと上から目線で距離を置く。カルチャースクールで源氏でも学び東大大学院にでも行くか(自尊心が満足)。そこで東北なまり同郷の受付嬢と話が合い源氏より石川啄木だ(特別な想いはない)と講座を変更する。妻のいとこのイラストレータートシはしょっちゅう家に飲みに来る。娘の道子も飲みに来る。よくしゃべる人たち。受付女は食事に誘うと嬉しそうについてくる。娘は「ただ飯おやじなだけ」ずけずけと分析してくれる。酔ってタクシーに乗ると二人の間にバッグをはさんだ。俺とは距離を置きたいと無意識にしたことか。傷つく。カルチャースクールをやめる。大学院入試に向けて気持ちは充実しかけたがやはり仕事がしたい。ジム仲間の金持ち鈴木からうちのIT会社で経理関係をやってほしいといわれる。財務関連を調べると問題なし、右肩上がりの成長会社だ。ミャンマーと大きな取引を始めていて飛躍の勝負の時だった。鈴木が突然死ぬ。鈴木に請われた自分なので死んだならあとは若い者たちに任す(俺はまた無職か自虐)が、社長になってくれ全員の意見だと言われて、そうだ俺も社長になりたいんだと引き受ける。仕事をもち自信をもった俺は今なら受付女にも堂々と接することができる、と伊豆のホテルに誘うが女は駅前のビジネスホテルに泊まりますと帰ってしまった。ばかばか俺のバカ。もう女にうろうろしないぞ。妻は独立して自分の店を出す段取りをつけていた。トシにも内装をてつだってもらうとの話し合いの場に受付女が合い鍵で開けてトシの部屋に入ってくる。カルチャーセンターの講師をしていたトシと受付女は知り合いで知り合い以上の関係だった。俺は長い間ただ飯をおごったのに友達扱いでトシはたった一回で男女の関係か。ひがむ主人公。きもい。ミャンマーの会社の後ろ盾だった政治家が収賄で逮捕され売掛金の回収ができなくなった。3億円。内部留保を全額出しても銀行の借入金が返せない。鈴木の遺族には功労金として1億5千万支払い済みだ(はあ?)。代表取締役社長個人の財産を弁済に充てるという条件で借入したので俺が足りない分を個人財産で支払わなければいけない。個人財産1億5千万が1千万になってしまった。だが年金が年500万ある。妻には申し訳ないことをした。妻は会社の若い女たちから倒産を知らされる。夫婦共通の財産だから半分は私のものだったのに。怒る妻。ぺこぺこする主人公。掃除洗濯皿洗いをする。妻の顔色をうかがいながら。へりくだる男を見て妻はますます面白くない。会話なし。家庭が地獄になる。ママも小さい女、どん底のパパに寄り添えないならさっさと離婚して。道子とトシは離婚を進める。お前が別れたいというなら別れるよ。主導権を妻にゆだねる元エリート、そういうずるさも嫌なのよ。岩手の故郷で甲子園をかけた試合が行われて出かけ、ふるさとっていいなあと自己満足モードに入る主人公。たまに帰るからみんなやさしいのにと言われるが、男は最後は故郷だ。と言って岩手で母親の介護をして同級生のNPOを手伝い定住する決心をする。妻は東京で美容院を頑張る、卒婚して別居生活だ。さよなら。新幹線に乗ると、妻が最初の日には私も挨拶に行くというメールがくる。一緒に母親の家に行く夫婦。俺たちの頭の上に故郷の白い雲が浮かんでいた。
一章が一時間のドラマみたいな作りで人間関係も明確だし話の盛り上がりと落としどころが一章ごとに組み合わさっていて読みやすく読むテレビドラマ、ドラマなのでセリフが多く、父と娘がこんなに話するものかとかいとこのトシの入りびたり様がいかにもドラマみたいであったり、若い女とどうこうなりたい下心がいかにもフィクションぽい。社長を引き受けるか迷ってるときには個人弁済のことは一言も書かれていなくて(書いてあったら財産を失う予測がたってしまうから)経理に詳しい元バンカーが個人弁済の条件をそのまま承継するだろうか、リスク管理ができていなくてどこが銀行員かととってつけたような財産なくしゲームありにはドラマチックを焦ったなという印象。岩手のクラスメートたちとの飲み会もうるさいとしか思えない。古い。飲み会とか、古すぎる。とにかくも勘違い親父で、最初の「エリート」という設定から違和感を感じた。エリートは必死になって勉強して必死になって最高学府に受かるんではなく、なんてことなくさらっと受かるのだ。それがエリート。こいつはそうじゃない。そのくせ俺はエリート、肩書が邪魔して再就職できない(ハローワークで職探しをする)俺がエリートだから妻は見合いで結婚したとか、エリート意識がまじいなかもんぽい。すごくいもっぽいいもっぽいって何年前に使われてた言葉って古臭い言葉だがいもっぽいとしか言えない。独りよがりでへたくそだろう絶対。妻も道子も受付女もトシもみんなドラマの出演者たちみたいでなかよしごっこは楽しいかい。展開が軽快だから早く読み終わる分には楽しいかもしれない。読んでいてかなりいらいらしてくる。前半の、定年後の卑下分析は面白かった。誘われると「私も行ってもいいの?」と聞いてしまう。誘われてうれしいが自分ごときが同行してもいいのかとへりくだってしまう。ジムのじじばばのそういう態度を軽蔑していたが、元知り合いのパーティーで(呼ばれていない)この後どこかで一杯と誘われ「俺でいいの?」とつい言ってしまうのだ。定年後も残っていた顧問職を今季限りでと言われ、申し上げにくいのですがと前置きされたことにいら立ちを隠しながらこちらからもうできないといつ断ろうかと思っていたところだなどと見栄を張る。
映画になると知った。あほ男がたちひろしで偉そうな妻が黒木瞳。エリート意識のあほいもを舘が演じるのは合ってそうだ。故郷はいいなあとご満悦に浸るきもい場面で胡馬北風に依るという五言詩が出てくる。いもエリに使うのはもったいない。

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DVD「ドロレスクレイボーン/黙秘」
スティーブンキングがキャシーベイツのために書き下ろしたミステリー。ミザリーは評判ほどいいと思わなかったけどいいって言ってた人もいたな。裏表紙のあらすじ:アメリカはメイン州の小島リトルトールアイランド。メイドのドロレスクレイボーンは富豪未亡人殺しの容疑で逮捕された。ニューヨークでジャーナリストとして活躍していたドロレスの娘セリーナは事件を知り故郷に帰る。20年前にもドロレスを夫殺しの容疑で検挙したマッケイ警部の監視のもと保釈されたドロレスと家に帰ったセリーナだったが母娘の間には溝があった。セリーナは過去と現在の二つの事件の真相を母の口から聞く。
キング原作なのでつかみも謎も真相解明もストーリーテラーらしくわかりやすい。謎はありきたりである。母娘の和解みたいな最後もよくやってられるなって感じ。審問会でマッケイ警部をやりこめて母親を無実にするセリーナの弁舌場面が盛り上がり部分と聞いていたがいやいやいや笑っちゃうお笑い場面だった。飲んだくれで言葉と暴力でドロレスをいためつける夫は娘にも手を出していた。未亡人の前で泣いてしまうドロレスに、事故は女の親友よ。と夫殺しを暗示する。夫が奪い取ったドロレスの財産(娘の教育費用)を銀行から奪い返し、それを知った夫は金を出せと迫る。裏庭に埋めたと教えて裏庭について走らせ古井戸に落っことすのだ。ドロレスが殺した証拠はあがらず、マッケイ警部の唯一の黒星になる。それゆえ未亡人殺しの立件で過去の負けを払拭しようと執念深い。寝たきりになりおまるの世話になり刺繍もできなくなった未亡人は死にたい死なせて、階段から転げ落ちようとする。止めに入ったドロレスともみあい転げ落ちてまだ息がありとどめをさしてと頼む。のし棒を手にしてとどめをさそうかと迷っているところを郵便配達人に見られて身柄確保。8年前の遺書に160万ドルの財産はすべてドロレスに譲るとあったことから遺産目当てと動機を作られしんでしまえころしてやりたいとののしるドロレスの声を通いのメイドたちが聞いていた。状況証拠による立件。娘のセリーナの反論は、二人は愛し合っていたというもの。はい?百合の話だったのかしら?マッケイ警部もあんぐり。人として愛し合っていたといいたかったらしいが思わせぶりな。お互いに尊敬して愛し合っていたから時給20セントでシモノセワから真冬の凍り付くせんたく干しまでずっとつかえていたのです。遺産のことなど知らなかった。あなたもその場にいたから母の驚きを見ていたはず。あなたは唯一の黒星の復讐のために母にまとわりついた。あなたはそこまで卑怯な男ではないはず。ぐぐぐ。目を伏せるマッケイ。名前からして負けている。審理は終わり無実を勝ち取った。これ、何の話し合いなんですかね。井戸端会議?状況合戦でなぜか簡単にセリーナが勝った。盛り上がらない。すべては私を守るためだったのね、ママありがとう。アメリカの映画はろくでなし亭主と暴力と娘のせい虐待はセットで出てくる。女と子供に暴力をふるう男は即殺でいい。

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by kumaol | 2017-08-14 16:36 | 雑記 | Comments(0)