DVD「BUNGO~告白する紳士たち」

昭和を代表する文豪の短編を将来を皆うクリエータキャストにより映画化。6オムニバスの後半三つ。

「鮨」岡本かの子
小説テキスト版
食べ物を食べられなくてやせっぽちの少年のその後がリリーフランキー、すし屋の娘が橋本愛。寿司を食べにくる無口の中年男リリーに恋心を抱く。金魚と小鳥を売っている店で出会い広場で話をする。なぜ寿司を食べに来るのか。僕は食べることができない子供でね、父親はお前のしつけがなってないからだと母親を怒っていた。食べようとすると女中の汗や魚の目玉を思い浮かべて呑み込めなくなってしまう。母は米櫃とネタを用意して寿司屋ごっこをして食べさせてくれた。それからはなんでも食べるようになれた。しかし自分は家をつぶしてしまった。両親も妻も死にアパートに一人暮らしだがやがて引っ越していなくなるだろう。ほどなくして男は寿司屋に来なくなる。どこか遠くの寿司屋に行っているのよ。という、ふーん、って感じの話。金魚鉢や小鳥のかごが抒情的で雰囲気があった。子供には食べろ食べろというけれども人間の進化は食べなくても生きれるようになることだと思う。食べなくても生きれる。なぜ食べさせようとするのか理解できない。母親の握る寿司が食べれたのはままごとだからであって食事の時間ではなかったからだ。子供相手にはうまい方法だと思う。ストーリーをどうこう言ってもしょうがない。リリーと橋本は顔の大きさが倍近く違って滑稽だった。無口な男はもてるんだ。

「握った手」坂口安吾
小説テキスト版
坂口安吾らしい男に都合よく女は聖母的な話。勉強も就職活動もうまくいってなさそうないわゆるインテリで鬱屈した大学生(昭和的)の男が映画館で美人の隣に座り手を握ると女も握り返す。二人は付き合う。相手が誰でも握り返してつきあっていたのかも。そこは聞けない。男は大学に気になる女性がいる。水木さん。水木さんは握られた手を握り返すだろうか。握ってみる。逃げる水木、男は手を離さない。痛い痛い。もしつきあってくれるなら明日ここに来て。男は遅刻する水木はいなかった。映画館の女はあなたが大学生だからよかったのよとそっけない。ふられた模様。水木さんにけだものの手をもった自分を許してくれと謝る。謝ることなどない私は手首の痛さがうれしかったあの日私は待っていたあなたは時間に遅れたそれがよかったのだわさようなら。
手首の痛さがありがとう?ないない。なに調子いいこと言ってるんだという。ラジオドラマがよかったんじゃないか、映画の必要あるのかな。黒木華がエロティズムを想像させる演技でよかった。ただ隣を歩いてしゃべるだけなんだけども、顔かな。目が小さい顔は性的に見える。

「幸福の彼方」林芙美子
小説テキスト版
これを観たかった。波留と三浦貴大。小説とは設定が異なる。叔母に育てられた絹子はめったに笑わない。戦争で片目を失った信一と見合いする。好きな食べ物は「うどん」子供のころなにになりたかった「金持ち」信一の答えを聞いて子供みたいと笑う。信一と結婚していつも笑っていたい。二人は結婚する。見合いの時に言っておいてくれと頼んでいたのだが不利になると思って言われてなかったことがある。僕には子供がいる。母親だった女は男と満州に逃げてしまった。里親に預けて戦地に赴き戻ってくると全くなつかなくなっていてそのまま置いてきた。いいえ、会いに行くべきよ。あたしだって。行商の両親が迎えに来るからといったまま二度と迎えにこなかった。ずっと待っている今でも。二人は子供に会いに行く。電車の中には行商の親子がいて父と母は寝ている子供たちは騒いでいる。足を広げて口を開けて寝ている太った母親。痩せた父親が鼻をかんでかんだ紙を母親の膝に置くと母親は目をつぶったまま袂にしまうのだった。ふふふ。笑う若い夫婦。親子は電車を降りた。波留は股を広げてふんぞり返る。三浦は鼻をかんで紙を波留に渡す。ふふふ。たくさん子供を産んでたくさん太るんだわいいわね。いいさ。電車は走っていく。終わり。
行商の親子は粗野で貧乏で口うるさい親と行儀の悪い子供たちだがひたむきに生きているというわかりやすい対象となっている。同じようになることが幸せなのか疑問だ。子供たちは生まれてきたくなかったと駄々をこねることもあったのでは。親は生むんじゃなかったと愚痴ることもあったのでは。幸せが無理やりすぎる。信一の子供に会いに行ってどうするんでしょうね。信一の自信のなさと三浦が合ってた。
短編映画はむずかしい。なんとなく次から次へと終わって印象が薄い。嫁の貰い手というような時代の作品たちなので時代が進んでよかったというのが一番の感想。

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by kumaol | 2017-10-01 22:09 | 雑記 | Comments(0)