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秋の空で一句

特待生8人特集。昇格が4人現状維持1人降格3人。
お題は「秋の空」。花、人物、名所、乗り物などの営巣に比べて難度が高く発想力が重要である。シンプルは難しい。
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昇格その1 三つ万クローブ
移り気な空 秋風のうしろ髪
たちきれない未練をうたったと本人の説明。
ポイント2つ。空秋風の が句またがりであることと、移り気、うしろ髪とふたつの擬人化を使っている。チャレンジがあってよろしい。句またがりはむずかしいがよし、擬人化ふたつはやりすぎ、ひとつにする。その代わりに映像を入れる。マイナスイメージのうしろ髪と合わせてマイナスイメージの形容をする。秋風のうしろ髪は詩的な表現がよいのでこのまま。
添削後:蒼すぎる空 秋風のうしろ髪

感想。空が移り気なの。秋風にうしろ髪があるの。エアコンの空気を視覚化してるたなびくたんざくみたいななにかを感じた。詩的な表現にぴんとこない。うしろ髪がひかれる想いって言いたいのにうしろ髪で終わりでいいのか。添削もへたくそ。蒼すぎる空、はあ?
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降格一人目 千賀 素直な描写力が強み。
秋天や 我が来た道に 曇りなし

感想。スバルか。これスバル?曇りなし光ってる。谷村かこれ。ふじもんに北斗の件かと言われてたがそんなかんじ、どっかで読んだことがある言葉って感じ。変なの。お前の来た道なんて興味ないよ。

透き通っている秋の空、自分の通ってきた道も迷いなくまっすぐである。本人説明。
先生評:基本の型を勉強している。「秋天」がどこまで機能しているかがポイント。秋天という季語を信じていない。秋天は曇りないのだから曇りなしの5音はまったくの無駄である。添削後:我が来た道 秋天へつづく道
季語を理解すること、映像をいれること。

道、というと川の流れのようにのようでもあります。演歌ポイというか尊大というか、好き嫌いの問題になってしまった。
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昇格2人目 ノンスタイル石田
オリジナリティーがある俳句を作る(新緑や背骨と化せる昇降機)

秋の空 ただいま秘密基地跡地

ただいま(只今)少年時代の空き地に戻ってきた、跡地になってしまっていたけど空はあのときのまま抜けるような秋空。

ただいまに二つの意味がかかっているのは今とあのときとふたつの時を示し有効、秘密基地はありふれた句材だが跡地をつけることで斬新になっている。バランスがよい。郷愁へとゆっくりとスライドしている。直すところはない。

感想。秋の空である必要あるのかな。春うららでもいいし真夏日やでもよいし。秋と跡地に必然性がなく、跡地に戻ってきた秋とはどういう秋、転職?離婚?倒産?首吊り場所をさがして?自然とわかる!となりませんでした。秋関係ないじゃん。
必然は考えなくていいのか、そこは自由でいいのかしらそうなんだ。
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現状維持一人枠の一人 焦点のくろわらじ
軽やかな笑いをわかっていらっしゃる。なぜかこびる夏井。

漣の 海を鏡や 鰯雲

海に鰯雲が鏡のように映っている??語順が変じゃない??きれいな言葉(俳句っぽい単語の羅列)であるけれど言いたいことをちゃんと言えていないのでは。海を鏡やってなにこれ。やの使い方おかしい。空の鰯雲が海を鏡に見立てて海に鰯雲が映っているんですよね。すごいわかりにくい。よく現状維持ですんだな。おちろ。

漣は、小波、細波と書き方があるが漣にしたのは工夫している。海を鏡に見立てたのもよい。発想が活きる叙述にする。
添削後:海原は鏡 鰯雲のさざめく

感想。添削後、わかりやすくなった。海原は鏡。言い切っちゃう。先週も夕焼けはめだまやきと言い切ってた。潔く言い切っちゃうのもテクニックのひとつ。

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残り四人、特待生2級の二人(ひがしとヨコオ)が一人が昇格で一人が降格と明かされる。自動的に梅沢と藤本もどちらかが昇格でどちらかが降格だ。いんこうのひがしと橋本まなみにヤラせればいい発言のうめさわに落ちてもらいたい。
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降格 東
爆発的な発想力が右に出る人はいない。

鉄格子 隙間さ迷う うろこ雲

どこの鉄格子なのか。場所をはっきり出す。県知事時代に刑務所の視察をして鉄格子から空を見る受刑者の気持ちを想像した、鉄格子だけで刑務所って思うけどそこはだぶりにならないし確定する言葉をいれるべきなんだそうだ。基準がよくわからん。刑務所以外に鉄格子てあるのか。普通の家にあったりするのか。疑問。
隙間さ迷うは散文(普通の文章)いらない。映像化して印象的にすることを心がける。
添削後・うろこ雲行く 独房の鉄格子

状況はわかるけど。うろこ雲行く独房の鉄格子、美しくない。全体が、全体の17音ごと全部散文になっちゃった。添削後さらに悪くなるという。

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昇格 特待生一級にキスマイヨコオ
ジャニーズの俳句王。ありとあらゆる世界へ詩を探しに行く好奇心。詩心あり。

鰯雲 蹴散らし一機普天間に

普天間にがおかしい。普天間に。に?やはりおかしかった。{に}着陸する{を}離陸、{へ}~の方へいく、蹴散らし一機飛んでいる飛んでいくのが普天間なら「へ」を選ぶ。秋の空から平和を想う発想力と、沖縄の土地に思いをはせるのがすごい。蹴散らすのが軍用機とわかり軍用機のイメージと蹴散らすが合っている。添削はにをへに換えるのみ。
添削後・鰯雲 蹴散らし一機普天間へ
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降格3人目 うめああわ
言葉の知識量がすごい

秋澄むや 蒼し肺ふの ありどころ

秋の澄んだ空気を吸うと自分の肺が秋の空気でいっぱいになって蒼くなる(詩的)、肺のありかがわかる。

肺腑とすると重くなるのでふをひらがなにしたのはよい、気を遣っている。澄むやで切れて蒼しで切れる。蒼しでは肺ふにつながらない。文法間違い。
添削後・秋澄むや 蒼き肺ふのありどころ

肺ふという言葉が気持ち悪さをもってるので(内臓的な意味で)おもしろい句ではないけれど、直したところが一語だけで降格なのもめずらしい。番組的に降格なのかな。
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昇格4人目 藤本藤原
地道な努力家。学ぶことにとても謙虚で尊敬してます。

山あいの 秋雲工場 フル回転

山あいは遠くからは見えないところだから雲を作る妖精さんの工場があっても不思議ないかも。この発想っておふざけとどうちがうのか。

先生評。フル回転という俳句には沿いにくい言葉を上手に使えている。ファンタジーな俳句だが山あいの工場といれることで現実味も出ている。山あいがいい仕事をしている。秋雲工場という言葉で、ゆっくりと絵本の世界に入っていく。上級な技を見せずにちゃんと配慮を見せている直しなし。
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秋空とワインレッドのカーディガン
澄んだ青空と深みあるワイン色、肌寒くなってきてカーディガン。
猫たちが ひだまり探す 鰯雲
ひだまりは冬っぽいか。鰯なら猫という単純な発想
うろこもこもこ秋空に白絵の具
秋の空にうろこ雲、白い絵の具がたくさんなくなるなあ。


他人のにケチつけるのは簡単だが作ると平凡すぎてめまいがする。

もこもこが気に入ったのでそこにこだわる。
うろこ雲のこともこもこのこが韻を踏んでいいと思ったけどひつじ雲のほうがひつじでかわいい。ヒツジ雲もこもこ。もこもこした感じでるぅ。

ひつじ雲 もこもこ白い 絵具減る

けども、雲はもこもこしているからもこもこしてるでしょ。おしつけがましい無駄な言葉かもしれない。もこもこが気に入ってたのだが涙を拭いてあきらめる。雲はヒツジ雲にしよう。かわいいから。都心のごみな東京でも蒼穹のヒツジ雲を目で追っていると羊飼いになった気分アルプスにいるみたい。蒼穹って言葉が恥ずかしい。青空のほうがいい。小学生が知ってる言葉で語順や助詞に気を付けるといい俳句ができそうだ。

ひつじ雲 追いし終わりし 昼休み
ひつじ雲 追って外乗 八ヶ岳
蒼穹に 羊飼い追う 秋の雲

こういうことを言いたいというのを俳句にしようとすると言葉足らずになったりくどかったりがわからなくなる。


これを完成にした。

ひつじ雲 追う羊飼いの昼休み

ひつじ^雲^を追うから想像の羊飼いてわかるかな。本物の羊飼いがひつじ雲と一緒にひつじを追っている昼休みだと追ってる仕事してるのに昼休みとなっておかしいから本物の羊飼いじゃないってわかるよね。昼休みという限定の時間で追うが時間に追われるの二重意味、時間給で働くような。昼休みにぼおっと単純作業から逃れて公園のベンチで時間つぶし。仕事に情熱なし。仕事はあるだけまし。あるだけまし。生きがいはなし。長生きしても楽しいことなんてないだろう。もうすぐ昼休みが終わる。秋の空は高い。羊飼いになってひつじ追う空想。空の向こうに消えてしまいたい。つまらない毎日。ひがみっつ並んだのが気に入ってる自賛。

自分は作った人なので状況がわかるけどパっと見、上記のようなのだとわかるだろうか。批評ください。ふてくされないとは限らない。

また来週。






by kumaol | 2016-09-01 22:38 | 雑記