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本「まいごのまいごのアルフィーくん」

ディアハウンドのアルフィーはまだ子犬。男の子チャーリーにかわいがられている。先住猫フローレンスを追いかけまわしていたが、アルフィーは雷がこわくて大嫌いで、嵐の日には付き添ってあげるから追いかけまわすのをやめなさいという取り決めを守ると約束した。

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左の耳の毛を刈られて地肌が見えていて黒い。あまりに痛かったので逃げ回り右は灰色の毛が残ったままだ。

第一章の出だしは、フローレンスと近所の猫の会話から始まる。二匹は近況報告のおしゃべりをして、別れ際、フローレンス「家に帰って朝ごはんを食べようかしら」ともだち「おいしいといいね」フローレンス「いつもと同じドライフードよ」
「でもおいしいの。またね」
二匹の猫のやりとりで、面白そうだなと期待した。





結婚式に半日出かけるためにアルフィーを預ける。預け先には同じように預けられた犬たちがいるが初めてのアルフィーは不安でしょうがない。運動場に連れて行ってもらうが、家畜用の電線(ふれるとぴりっとくる)に鼻があたってしまってパニックになり高い高い塀を飛び越えて逃げてしまった。広くて大きい森に行ってしまった。森ではきつね夫婦に出会い、アルフィーは動物を追いかけるハウンドではないので(猫との約束)キツネたちはかわいそうな大きな子犬の面倒をみてあげる。密猟者に見つからないように絶対に声を出さないことを約束する。レストランのゴミ箱を漁りに行ったときに、ポスターと同じ犬だとわかってチャーリー家に連絡が来るが、キツネは賢く、次の日はゴミ収集車の日だから行ってもなにもないから、とレストランに行かなかった。見つけられずに帰るチャーリーとママ。その後もすれ違い、すぐ近くにいるのにすれ違ったり時間がちょっとずれて見つけられなかったりとか、きみのなは状態が続く。



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アルフィーのおもりをする夫のフィクシットと妻のサンセット。
1ページずつに挿し絵があって、絵はち密で写実的ぽいイラストで見ごたえある。文字を読まずにイラストだけ見ていくのもおもしろい。

アルフィーの首輪が首に締まるようになり、キツネは噛み切って取ってやる。すでに半年も行方不明になっている。ポスターは右耳と左耳の色がちがうし赤いかわいい首輪をしているきれいな灰色の犬なので、ポスターの横に座っても気づかれず追い出される。密猟者の二人組がアルフィーを拉致する。こいつはいいや、キツネ狩りに使おう。夜の密猟に出かけると、サーチライトの中にフィクシットが現れた。大変だ。銃を叩き落すアルフィー、逃げる逃げる。フィクシットもアルフィーも逃げきれた。足が痛くて立てなくなったアルフィー、銃で撃たれていた。死にかけるアルフィー。

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どうしたらいいのかしら。ぼくたちの力じゃどうにもできないよ。

ママは新しい子犬をもらいましょうというけれどあきらめないチャーリー、最後のチャンスにもう一度だけポスターを貼らせて。新しいポスターが何か所も貼られ、キツネはまだ探していることを知る。公園のベンチで二人の姿を見かけたフィクシットは、赤い首輪を口にくわえて二人に見せる。そして、横たわっているアルフィーのところまで導く。家に戻ることができた。

DeerhoundがDearHoundのダジャレになっている原題である。まいごのまいごのではちがう感じがする。まいごというほどさまよっていないし、キツネと一緒になって森を生き抜いているのだから。アルフィーはとんまだけれど善良である。フローレンスはよき姉である。キツネたちはさらに魅力的だ。最後、「そろそろ引っ越しをするかね、人間たちに住処が知られてしまったから」「悲しいわ。でももっと広いといいわ、春には子供たちが増えるから」「では出かけよう」キツネの物語でもある。
この犬は自力で家に帰れなかったんだろうか。

by kumaol | 2016-10-30 12:11 | 雑記