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本「レイン: 雨を抱きしめて」アン・M. マーティン

レインは犬の名前。修理工場で働く父親が犬を連れて帰ってきた。雨の中、飼い主がいない迷い犬だから、お前にプレゼントだ。あたしは喜ぶ。あたしは高機能自閉症で素数を唱えている。ルール違反が気になってしょうがない。あの車携帯電話でしゃべりながら運転してる許せない。ウインカーを出さないで曲がった許せない。同音異義語を見つけるのが大好き。同音異義語を見つけると授業中でもいつでも叫んでしまう。〇〇と丸丸は同音異義語だ!って。小学校にはつきそいの担当官がついていて、うるさくすると廊下に出される。父親は学校からの連絡が大嫌いだ。どうしておとなしく通ってくれないんだ。父親には弟がいる。おじさん。毎日送り迎えをしてくれる。父親たちの父親は暴力をふるう男で、父と叔父は7つの里親の家を転々とした。あたしのママはあたしがこんなんだから家を出て行った。ハリケーンの夜、パパがレインをトイレに出して家に入れてやらなかったから行方不明になってしまった。おじさんといっしょにレインを探す。シェルターのリストを作って順番に電話をしていく。
レインが保護されていた。見つかった。
レインの首にはマイクロチップがあって、ヘンダーソンさんの犬だった。
ヘンダーソンさんの電話は通じていない。ハリケーンで家が壊れたのだ。探して返さなくては。父親は、せっかくのプレゼントなのになんで返すんだと怒る。ヘンダーソンさんを探してレインとお別れする。父親はローズとうまく付き合えない。おじさんに託し、行方不明になる。という話。
犬の個性や犬との出来事はほとんどつづられていなくて、迷い犬という素材を通して女の子と、父親と、周りの人との関係を描き出している。昔は高機能自閉症という言葉は知られていなくて、なんでも性格のひとことで片づけられていたけれど、名前がつくと少しは自分を認められるのかな。父親は子供には絶対に手をあげないと決めているが怒りっぽいので握りしめたこぶしの関節は白く光る。ローズはおびえながら言い訳をしながら育つのだ。くそでも親との別れは小説にすると悲しい。やさしいおじさんが近くに住んでいてよかった。レインは幸せなヘンダーソン一家に戻れてよかった。
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「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」

中身を見れたら買う人はいない。カラー写真の10ページくらいだけが開脚で、それもどこででもすすめられている方法ばかり。のこりのほとんどは開脚ができなくて何かを成し遂げられると思うなという小説だった。くだあらない。

by kumaol | 2016-12-10 23:09 | 雑記