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DVD「二十四の瞳」木下恵介

壷井栄の有名な小説、島の学校でちいちいぱっぱな学園ものだと思っていたから読んでない。高峰秀子が大石先生、島の分教場に赴任してくる女学校出の若い先生で、初日からスカートに自転車でやってきて島人の反感を買う。生徒たちは先生が大好き。前へならえを教えたり出席を取る高峰秀子がかわいい。せんせーと呼ばれて砂浜を走って近づくと落とし穴ができていて生徒は笑うが骨折し一大事になる。しばらく先生はお休み。生徒たちは先生に会いに遠出をして親たちは心配する。それが一年生の時の話。6年生になると戦中になり反戦思想は取り締まられる。大石先生の言動があぶないと校長ははらはらする。(校長が笠智衆は最後になってやっとわかった若い)。料理屋の娘は歌がうまいから音楽学校に進みたいというが親は大反対、先生からもたしなめてやってと呼ばれるが、先生は何も言えないかわいいあなたの幸せをのぞむだけで何も言えないと謝る。男の子は兵隊になりたいとか軍人になりたいというけれども女だから死なずにすむからそれを幸せと思って、と加えるが、兵隊になるなんてつまらんと言っていたと反戦思想と噂される。貧しくて学校を続けられない子もいる。母が死に父親は飲んだくれ、奉公にでたはずが親戚の家でこき使われているのを修学旅行で見てしまったり、大阪に奉公に行った子は親に喜ばれてうれしいと出かけたが肺病になって戻される。親は肺病やみは近寄るなと物置で一人で寝起きさせられる。田村高宏の船の操縦士と結婚して、反戦といわれることに嫌気がさして教師をやめ子供3人を育てているが夫は戦死する。終戦になる。一番下の女の子が柿の木に上って落ちて死んでしまう。おなかがすいて柿を取ろうとした。青い柿を握ったまま死んでしまった。教え子で教師になった子の口利きでふたたび分教場の先生になる。出席をとると、昔の教え子とゆかりのある子供たちがいる。泣いてしまう大石先生にはなきみそ先生というあだ名がつく。戦死した教え子たちの墓参りをする。教え子たちとの食事会に呼ばれると、そこには自転車が飾られていた。先生ありがとう。7人いた女の子は5人に、5人いた男の子は2人になっていた。終わり。
戦争と、貧乏と境遇の犠牲になる子供たち、テーマはいやなものだったが、高峰秀子がやっぱり上手かった。初めて教壇に立った日、子供たちも初めての学校だった。あのときの二十四の瞳、わたし、とてもかわいかったの。「あんなにかわいい瞳をあたし、どうしても濁しちゃいけないと思ったわ」どんなストーリーかわからなかった初めの場面で、大石先生が母親に話すこのセリフにすべてがあった。156分一気見。修学旅行の船上で、歌の上手なマスエちゃんに歌を歌わせる。わーと拍手して歌わせるのだけど、遊覧船が近づいて夫が乗っている遊覧船なのでそっちに移動してしまう。子供たちも遊覧船だと喜んで移動してしまう。歌わせた子は。映画だからカットがはいるんだけども、現実だと歌ってる子がほっぽり出されてかわいそうでひどいところ。
先生役もいい。先生にしか見えない。これがあのゆきこだったりふみこだったりなのか。すばらしいわね。-------


いろいろ間違っていた。配役
笠智衆は男先生だった。オルガンが上手ではない。大石先生の教える軽い歌に不満である。朧月夜カラスなぜなくの浜辺の歌など。大石先生が足のけがで分教場に通えなくなり子供たちとお別れするときに子供たちに歌を歌って見送れと命じる、子供たちは男先生が好きではなかった軽い歌(カラスなぜなくの)を歌い始める。男先生もしぶしぶと一緒に歌う。
田村高広は戦後に再会する元生徒の一人だった。磯吉役。戦争で生き延びて戻ってきたが目が見えなくなっていた。兄夫婦のもとで暮らすが邪魔者扱いされている。あんまの勉強を始めている。目は見えないが、浜で撮った一年生の時の集合写真は見える。松葉づえだった大石先生。真ん中にいるのが誰その隣が誰と言う。何べんも見ていたからだ。みんなのもとにある宝物の写真。マスノが窓辺で浜辺の歌を歌い始める。修学旅行の船上で歌っていた歌だ。
夫役は天本英世だった。これは驚いた。面影がない。瀬戸内海のレモンみたいにさわやかな二枚目だ。黒いマントの死神博士か、頭に果物ネットをかぶった白髪の人としか知らなかったが、草刈正雄みたいな美男子だった。ほお。
りゅうちしゅうもたむらたかひろも、年齢的にこのあたり、校長先生と夫がそれだと思っていたがさらに一回り若い役だったのである。

2回目3回目と見直すと、12人の子供たちの名前と顔と境遇が一致してきて、さらに面白くなった。さらに高峰秀子が美しく上品でせりふ回しが面白く誠意があって、二十四の瞳はいい映画だ。

by kumaol | 2017-04-02 22:01 | 雑記