2017年 04月 02日
DVD「二十四の瞳」木下恵介
戦争と、貧乏と境遇の犠牲になる子供たち、テーマはいやなものだったが、高峰秀子がやっぱり上手かった。初めて教壇に立った日、子供たちも初めての学校だった。あのときの二十四の瞳、わたし、とてもかわいかったの。「あんなにかわいい瞳をあたし、どうしても濁しちゃいけないと思ったわ」どんなストーリーかわからなかった初めの場面で、大石先生が母親に話すこのセリフにすべてがあった。156分一気見。修学旅行の船上で、歌の上手なマスエちゃんに歌を歌わせる。わーと拍手して歌わせるのだけど、遊覧船が近づいて夫が乗っている遊覧船なのでそっちに移動してしまう。子供たちも遊覧船だと喜んで移動してしまう。歌わせた子は。映画だからカットがはいるんだけども、現実だと歌ってる子がほっぽり出されてかわいそうでひどいところ。
先生役もいい。先生にしか見えない。これがあのゆきこだったりふみこだったりなのか。すばらしいわね。-------
いろいろ間違っていた。配役
笠智衆は男先生だった。オルガンが上手ではない。大石先生の教える軽い歌に不満である。朧月夜カラスなぜなくの浜辺の歌など。大石先生が足のけがで分教場に通えなくなり子供たちとお別れするときに子供たちに歌を歌って見送れと命じる、子供たちは男先生が好きではなかった軽い歌(カラスなぜなくの)を歌い始める。男先生もしぶしぶと一緒に歌う。
田村高広は戦後に再会する元生徒の一人だった。磯吉役。戦争で生き延びて戻ってきたが目が見えなくなっていた。兄夫婦のもとで暮らすが邪魔者扱いされている。あんまの勉強を始めている。目は見えないが、浜で撮った一年生の時の集合写真は見える。松葉づえだった大石先生。真ん中にいるのが誰その隣が誰と言う。何べんも見ていたからだ。みんなのもとにある宝物の写真。マスノが窓辺で浜辺の歌を歌い始める。修学旅行の船上で歌っていた歌だ。
夫役は天本英世だった。これは驚いた。面影がない。瀬戸内海のレモンみたいにさわやかな二枚目だ。黒いマントの死神博士か、頭に果物ネットをかぶった白髪の人としか知らなかったが、草刈正雄みたいな美男子だった。ほお。
りゅうちしゅうもたむらたかひろも、年齢的にこのあたり、校長先生と夫がそれだと思っていたがさらに一回り若い役だったのである。
2回目3回目と見直すと、12人の子供たちの名前と顔と境遇が一致してきて、さらに面白くなった。さらに高峰秀子が美しく上品でせりふ回しが面白く誠意があって、二十四の瞳はいい映画だ。
by kumaol
| 2017-04-02 22:01
| 雑記